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モレスキン



仕事をしようとすると、すぐに雑念が浮かぶ。それはもう見事なくらいに。
頭にわいた雑念をメモしようとしてiPhoneを開けようものなら、
わたしの指はすでにメモのことを忘れ、
グーグルの検索にあれこれと文字を打ち込んでいる。 
仕事中に思いついてしまったことは紙に書きつけて、
とりあえず一旦、忘却の彼方へ。
そうでないと、仕事は永遠に進まない、終わらない。
以前はStaplesのメモパッドを愛用していたが、
切り離しができるメモに新しい雑念を書くたびにどんどん破いてしまって、
後で見返すことが不可能。
何よりメモパッドは、しっかりとした表紙もなく、
派手にページ折れてしまうために、持ち歩きにはとても不向きである。 

というわけで、見た目も美しい、モレスキンのノートを使用。
雑念を書くには値の張るノートだけれど、
そのぶん、このノートに大事なことを書き、書いたことを大事にするのではないか、
という勝手な期待をして投資。 
しかし、気がつくと意味のない落書きをしたり、簡単な計算をしたり。
それは「失敗した印刷用紙の裏ででもやればいいのではないか」というようなことばかりを書き
ものすごく無駄なスペースの使い方をしている。
たとえば、見開き1ページのスペースに赤い文字で書かれたYes。
でも、なぜかこのYesを見たときに
「自分のようなものでも生きててもいいのではないか」
とものすごく元気づけられた。
かつてジョン・レノンがヨーコ・オノの作品『CEILING PAINTING』で感銘を受けたYES。
なんどもYES書いてみれば霊験あらたか。
小さくてとてつもなくパワフルな肯定の言葉に背中を押され、
今日もまた白いノートに雑念の花が咲く。



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by NPHK | 2019-03-26 02:29 | 漂う